当初、家族がヨーロッパに残ることを希望したこともあり、ヨーロッパでの職探しに注力した。しかし、ヨーロッパでのPIポジションはかなり少ない。そして、先行き不透明なポジションが多い。たとえば、tenure-trackと称しているものは、ウィーンのIST Austriaとチューリッヒ大学、Pasteurくらいだった。UCLは5年で終わりであり、Lecturerのポジションだったし、給料がかなり低く、家族で暮らせるとはとても思えなかった(当然のことながら家を買うことはできない。面接で「家は買えますか?」と聞いたら、refereeで来ていたとっても偉い先生に”Buying a house in London!? Hah!” と鼻で笑われた)。ヨーロッパではポジションを取るよりも、むしろ先にERCのstarting grantをとると、独立ポジションを用意してくれる、という場合が多いように思う。Starting grantはPhD取得後の年限に引っかかってもう出せなかったので、ERCは出せずじまいだった。僕自身はもうこれ以上外国語を勉強する手間が惜しかったので、ヨーロッパだったらイギリスかフランス以外は難しいかな、と思っていた。結局、出したヨーロッパのポジションは4箇所だけだった。一方、アメリカはポジションの数自体が圧倒的に多い。こちらは40箇所出した。Max Planckやスイスの大学でのポジションは条件が結構良いが、それ以外は条件があまり良くなく、平均的に見て、アメリカのポジションの方が条件が良いように思う。